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[コメント] 覆面ダルホ 〜演歌の花道〜(2007/韓国)

まァ、一言で言ってしまえば、単なるぬるいコメディ映画。音楽という大きな枠をかつて包み込んでいた歌謡曲映画の残滓に過ぎない。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







シャ乱Qの原作を見ていないので比較は出来ないが、要するにロックとトロットはそんなに距離のはなれた音楽ではないということに尽きよう。この点では、邦画の『デトロイト・メタル・シティ』の深刻度に到底及ぶものではない。

日本のことならもっと判りやすい。美空ひばりの昔からロックと演歌は近いところにあり、だからこそシャ乱Qのような存在も受け入れられたのだろうことを考えれば、主人公の苦悩は甘っちょろくて見ていられない。「音楽はハートだ、心だ」と言ってみたところで、どんな音楽だって突き詰めればハートなのだから。判らないダルホが馬鹿なだけなのである。

もしこの映画にもっと緊張感を持たせたいのだったら、覆面を被らねばならぬ必然性を持たせるべきだった。陳腐な例しか思いつかないが、ロッカー時代にグルーピーを妊娠させたとか、地元でトロットのベテラン歌手に恥をかかせて帰らせたとか、もっともらしい理由はつけられたはずだ。この場合、ダルホは覆面をとり、彼女との交際がばれてもスターでいられたのだから、これは照れ屋さんの甘えとしか形容しようがない。どうせ自らマスクを被るなら、『ファントム・オブ・パラダイス』のウィンスロウくらいの根性は身につけろ。ダルホにはそう言いたいのである。

(評価:★3)

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