[コメント] デュプリシティ スパイは、スパイに嘘をつく(2009/米=独)
面白い。ちょっと高級な感じのするコンゲームめいたサスペンスコメディといえばいいのか、4画面の分割をうまくするりとまとめて、めちゃ楽しめる作品となっている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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小説ならいざ知らず、映画でこんな手の込んだ作り方で退屈させずに、常に観客の口元をほどけさせているというのも、実に巧妙なトニー・ギルロイの成せる業かな。うなりました。好きだなあ、こんな映画。映画の新しい方向性を導き出す何かを感じさせる出来だ。
米ソの冷戦状態が融解すると、スパイは本来廃業させられるはず。しかし現代では産業スパイがそれに取って代わっているという。まあ、それが事実かどうかは別として映画としては、だまし、だまされ、だましたつもりがだまされ、相手を信用できず、引いては目の前にある恋愛でさえ信じられなくなる、そんな閉塞感。時系列等の出来事をテンポ良く分割画面を切り替えることである一定のリズムが保たれている。その秀逸さ。
そのうちどんどんエスカレートし、スパイだけではなく、映画はなんと観客でさえだまそうとする。そして見事だまされたその爽快さ。
完敗です。ギルロイさま。貴方はえらい。すごい。映画の愉しみ方をホントよくご存知です。主役カップルの巧妙でこっけいな演技も見もの。現代ではホント掃き溜めの鶴のような存在の映画ですね。
でも観客は超少なかったですね。ホントますます映画界は変わらんですな。というか、凋落しようとしているのではあるまいか。観客もレベルアップしようぜ!!。
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