コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] スター・トレック(2009/米)

指揮系統の判断に物語の展開を任せるところ、非常に理知的な設定である。しかし、理知的な設定でありつつも、この監督はしっかりとアクションシーンを織り交ぜてくることを忘れない。
かねぼう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 スター・トレックシリーズを知らない人間に対して非常に配慮された内容になっているようだ。2時間という限られた尺でありつつも、説明臭くなりすぎず「スター・トレック」というシリーズの独自性を感じさせる構成は好印象であった。「スター・ウォーズ」シリーズが讃える“強さ”は、そのまま武勇に直結する強さであるように思われるが、このシリーズが讃えるのは、あくまでも理性に重点を置いた、文明人的な強さであるように思われる。それ故、物語の展開が、敵との決闘(アクション)ではなく、ほぼ全て指揮系統の“判断”に委ねられているのは面白い。戦争の映画というよりも、国防の映画というべきか。とは言え、宇宙を舞台としているのに派手なヴィジュアルで観客の目を楽しませない手はないであろう。物語の展開こそ指揮系統の判断が起点となっているが、適時アクションシーンを織り交ぜ、大作的な娯楽を求める観客を退屈させない所、この作品の監督は巧みな職人であると言えそうである。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。