[コメント] ターミネーター4(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まず、オープニングのCOLUMBIA PICTURESの女神像から違う。ちょっとくすんで灰色に光ったサイバーな画。この時点で「なんか凄いものを見せてくれそうな映画だ」と期待が高まる。
そして、その期待は裏切られることはなかった。この映画、ストーリーはともかく映像技術が素晴らしい。例えば序盤、ヘリコプターが横転したら乗員の目の前はこんな風にひっくり返るよなという主人公目線の光景が飛び込んでくる。他にも、廃墟の街を戦闘機が飛び去ったらこんな風にバラバラに建物が灰になって崩れ落ちるとか、人が谷底に落ちたらこんな風に水面を撥ねてモノみたいにゴロゴロ転がるんだとか、実際に自分が体験したことのない場面で「確かにこんな風になるよな」と妙に納得できる、そして圧倒されるほど迫力ある映像の連発。また、溶鉱がターミネーターに零れ落ちた後の動きなど、本当に細かいところまでリアルでよく考えられてよく作られている映像だ。灰になったかつての人間の街と、光り輝き美しく塔がそびえ立つサイバーネット中枢部の対比も素晴らしい。
映画、特にSF映画の醍醐味ってそこなんだな。自分が未来を見たりマシンと戦うことは不可能だけど、それをギリギリのところまで体感することができる。爆撃されたヘリに乗ってる主人公目線で天井がグルグル回ったり何かのショックで意識が遠のいた瞬間に暗転したり、目の前に広がる光景に慄いたり。そんな感動を味わいたくて私は映画を観る。この映画を観て、映画ってこんなに楽しいものなんだと改めて思い知らされた。
ストーリーはちょっと子供騙しというか、巨大ターミネーターがくだらなかったり心臓のエピソードなど単純すぎるなと感じた部分はあった。だが、それをずっとずっと上回る映像技術で心底楽しめた。そしてファンを喜ばせてくれた、シリーズ過去作でどっかで見た場面やどっかで聞いた台詞。久しぶりに観て良かったと思える映画に出会った。
余談だが私が感じた一番の立役者は、CG合成の若き日のシュワルツェネッガー以上に、スター役のジェイダグレイス・ベリー。可愛らしくて溢れんばかりの魅力を持つ、存在感のある子だ。
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