[コメント] コレクター(1965/英=米)
蝶=女性という発想が秀逸であると同時に、主人公の青年の欲望を美しいとすら感じてしまう危うい名作。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最後、女性が死んでしまうということが理不尽だという意見があるが、蝶=女性という構図を考えると、女性はどうしても死ななければならなかった、と思う。
主人公にとって、女性を監禁するのは、蝶を捕獲し針で刺して身動きできなくさせる行為と同じで、女性が息絶えてはじめて目的が達成される。同時にそれが、女性を対象とするコレクターとしての彼の目覚めとなってしまうわけだが、逆にミランダが死ななかったら、ラストでの彼のコレクターとしてのビジョンは完成しなかったのではないだろうか。
綺麗なものを所有したいという主人公の欲望は、普遍的な人間の感情だと思うし、様々な人間の欲望の中でも美に関わっているだけに、とりわけ美しい感情とも思える。
ラストでまた新たな収集物を求める主人公、という帰結は、(あくまでも物語として)非常に秀逸であり、一つの完成された感情として、彼はここではじめてコレクターになったのだと感じた。
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