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[コメント] こころ(1955/日)

この映画も人物の縦構図のパンフォーカスとアップ挿入が嫌らしい。特に前半の安井昌二のアップカットは悉くダメだ。なんらかの感情をフィルムに定着させようとしたようにも見えないからほとほと困ってしまう。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 また三橋達也はともかく森雅之の学生姿はいくらなんでもなぁという感じだし、新珠三千代は美しいが結婚前の若作りシーンには違和感あり。まあこういう部分を責めても仕方が無い、というか逆に楽しめばいいのだが、後半(回想シーンの後半)で森雅之の行動・表情が分裂しているとしか思えないのは演出家の責任だ。或いは奈良岡朋子演じる女中が食事シーンで森雅之と目を合わせる意味深なカットがある。これも後に繋がらない無意味なカットになっており、市川崑演出にはよくこのような不整合が散見される。

 ただし、ファーストシーンとラストシーンはいい。タイトル開け、フェード・インして新珠三千代のアップ。パンダウンすると縫物をしており、ぐるっと後退しながら移動して部屋を見せる。この出だしはいいじゃないか。ラストシーンは安井が先生を訪ねてくると、忌中の貼り紙。新珠が出てきて安井に近寄ると、安井が玄関先で尻もちをつく。新珠泣きながら木戸を閉めて「完」。潔くて格好いい!そして新珠の母親役・田村秋子が良く、後半、この人が出ているシーンは見ごたえがある。

(評価:★2)

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