[コメント] 火天の城(2009/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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西田敏行は探偵ナイトスクープの西田探偵局・局長ではない顔をしていた。『釣りバカ日誌』のハマちゃんでもない顔だった。
単なる涙もろいおっさん、またはコメディ専門役者さんかと思いきや、俳優さんなんだなぁと再認識。
彼の熱演に周囲も呼応するようにヒートアップした結果、あのようなベッタベタな芝居になったんだと思う。
が、時代劇としてはコレは良い形。十分に笑わせてもらった。ベタな展開・ベタな芝居だとニヤリとしちゃうんです、僕。ご容赦。
大竹しのぶもバラエティー番組の顔とは全く違う泣きながらの笑顔を魅せてくれた。
薄めのメイクの好演でこれまた女優魂を再認識させられた。まさに「おなごには敵わん」と蛇石の上にて月見で一杯したい感じだ。
何と言っても圧巻は椎名桔平の織田信長だ。かつて観てきた大河ドラマや映画の信長像の中でも至上最強と言っても過言ではない程いい。強そうだ。
「安土の山、一つまるごと城にせぃ!」は名言だ。何度も反芻して言ってみる。
ストーリー的にはど真ん中、王道中の王道で、年末に忠臣蔵を欠かさず見るような時代劇ファンなら間違いなくニヤリと笑える。特に待ちに待った大雨が降り、天下一の木曾檜が筏に乗ってやってくる件は満面の笑みだろう。
水野美紀が演じたくのいちのシーンだけが予想に反していて驚いた。いいアクセントだ。
蛇石を動かしちゃならんって、夏八木勲があれほど言うただろうに。言うこときかんけんこげんなるんじゃ。
久々に見た緒方直人もいい味を出していた。
娘役の福田沙紀の存在は、事情も知らずに正論振りかざしたり、感情むき出し発言が多かったりで多少イラッとしたが、時代劇における娘役とはああいうもので、周囲の大人がなだめたり教えたり元気づけたり諭したりしなくてはならないんだろう。そう思うと納得できる範囲。
「せいこらよいしょー」と手から血を滲ませてみんなが大黒柱を持ち上げてる隙に、狭い隙間にノミを入れる西田ら。礎石の面に合わせて大黒柱を削るシーンが必至の形相! それもまたよし。笑えるから。
と、べた褒めだけど、くれぐれも時代劇が好きで、日本の名城百選を片手に城スタンプラリーをやっている僕だからの評価かもしらん。
折りしも時は、日本中で築城400年ラッシュの昨今。上手くブームに乗ってくれるといいんだけどw
最後に、安土城、現存してないのが残念無念。 大黒柱を見上げたり見下ろしたりと、CGも正しい使い方をしていた。
結局吹抜けはなかった、という事実だけでも観た甲斐はあった。
うん、今度安土城の城址でも見てこようかな。
そう思わせるに足る映画だった。大満足の☆5つwww
一応ちゃんと誉めてるつもりなんだけどな、ニヤニヤ。
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