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[コメント] 最後の切り札(1942/仏)

ジャック・ベッケルの第一作は、まるでホークス映画のような集団描写の楽しい犯罪モノだ。それは警察側もギャング側も含めてだ。
ゑぎ

 冒頭、南米の架空の国の話だという字幕が出る。しかし、風景は南フランスそのもので、美術・装置はホテルも警察内部もフランス映画らしい華やかさ。

 ピエール・ルノワールが貫録のある悪役。シカゴから来たギャングの親分はガストン・モドーだ。ルノワールの妹がヒロインのミレーユ・バラン。このバランが、刑事候補生(?)−レイモン・ルーローと恋に落ちる、というこのあたりのプロット展開もフランス映画らしい。

 ベッケルの演出は処女作とは思えないクレバーなもので、例えば、終盤、電話線が切られている状況だけで、それ以上何を語らなくても、ミレーユ・バラン等はレイモン・ルーローの危機を了解する、というような簡潔な、しかし考え抜かれた演出が素晴らしい。

 実は、本作でもビンタのシーンを期待していたが、無し。でも女が路上で撃たれるシーンはやはりかなり非情。

(評価:★4)

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