[コメント] スペル(2009/米)
生理的嫌悪感を誘う要素や、突然の大音響で驚かせる、殆ど物理的な衝撃で観客を驚かす演出には、サービス精神を見るべきか、演出の短絡さを嘆くべきか。野暮ったい俗物ヒロインも、その人格的なくだらなさが不徹底なせいで笑いに転じることなくただ不快。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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恋人役のジャスティン・ロングも、気障っぽく装ったムーミンみたいで何かヤダ。
室内に突風が襲いかかって来るシーンは、風に物理的な「硬さ」を感じさせる暴力性が良いのだが、一難去った後、吊るされたフライパンが揺れて打ち合ってガラガラ鳴る画まで用意するのはサービス過剰すぎて却って冷める。禍々しさと笑いとが相乗効果を上げるライミ的ホラー演出も、交霊会のシーンでの、羊や助手にとり憑いた悪霊の表情や、宙に浮いて踊る画などは、ユーモアが立ちすぎて、最大の恐怖を狙うべき箇所で肩透かしをされたような鬱陶しさを感じてしまう。
既に二度も返済を猶予されていた婆さん(ローナ・レイヴァー)が、一従業員に過ぎないクリス(アリソン・ローマン)に逆ギレして呪う理不尽さも酷いが、このクリスにしたところで、これまたいかにもライミらしい、野暮ったい容姿に俗っぽい性格という可愛げの無さ。ラム・ジャズ(ディリープ・ラオ)が「動物を生け贄として捧げれば呪いを免れる」と告げたところからずっと子猫の身を案じていたのだが、遂にクリスが我が身可愛さのために、飼っていた子猫を殺すという非道を行なった時点でもう、このヒロインはむしろ死すべきだと感じさせられてしまう。
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