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[コメント] 大いなる夜(1951/米)

まず、主人公のジョン・ドリュー・バリモアにしてもヒロインと云っていい役回りのジョーン・ロリングドロシー・カミンゴアの妹役)にしても、何ともジョセフ・ロージーらしい微妙な顔と肢体の持ち主だ。
ゑぎ

 例えばジェームズ・ディーンナタリー・ウッドという配役の映画でさえ、こと被写体にフォーカスしてみると、本作に比べていかにも普通のハリウッド映画だと思えてしまう。バリモアは情けない顔ばかり目立つ役者だが、知り合いの食料品屋で鏡に向かって凄むシーンがあり、どうしても『タクシー・ドライバー』のロバート・デ・ニーロへの演出との相似を指摘したくなる。換言すると、ロージーの感覚はかなり時代を先取りしていたと云うことができるだろう。或いは父親が杖で打たれる暴力描写とそのフラッシュバック、黒人歌手の扱い、悪役としてのハワード・セント・ジョンの卑怯なイヤらしさ、これらも突出した演出だ。初期ロージーの中では処女作『緑色の髪の少年』ほどの力はないがロージーらしい奇異さが興味深い映画だ。

#拳闘シーンで隣の席に座っているウィスキーをくれる太った男はロバート・アルドリッチ

(評価:★3)

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