[コメント] 戦争と平和(1947/日)
時代が作り上げたリアリズム。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この作品に関しては色々と問題がありすぎるのは認める。イデオロギー色が高すぎるとか、人間ドラマのはずなのに、妙にのっぺりしてるとか。しかし、それでもこの1947年という年にこの作品が作られたと言う事実は重い。何せ、つい先頃まで、劇中にあったように、戦争で人が殺され続け、街頭でバタバタ人が死んでいたのだ。いや、この映画が作られた当時でさえ、戦争の痛みはまだ生々しいものだったはずだ。
その時代に作られた。それだけで絶対現代では作ることの出来ないリアリズムがある。あの街角はセットの中とは言っても、外に出れば同じ光景を目にすることだって出来たはずなのだから。
頭の中ではまだ戦争が続いており、それ故現実と自分の心を合わせることが出来なかった男の役を池部良はちゃんとこなしていた。
その時代だから出来た映画というのは確かに存在する。これは邦画において、確かにこの時代でしか出来なかった作品に他ならない。現代に生きる私としては、何よりその点をこそ、強調したい。
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