[コメント] 封印された部屋(1909/米)
原作のト書きを振舞ってみただけで何の喚起もないBADサイレント作品
グリフィスの演劇的趣向が顕著に表れているコスチューム・プレイである。原作はエドガー・アラン・ポー。怪奇小説の大家をむこうにして本作のあられもない姿たるやどうだ。「映画の父」の名に相応しくない情動性を欠いた恥ずべき作品である。映画が後進メディアであることをはからずも示してしまった、その表現の修辞において模索期であったことがうかがえてなんとも頼りない。時は1909年、生まれてまだ間もないとはいえ、映画が下世話な見世物であることを露呈している拙さ。しかし、現在から顧みれば、本作に登場する人物に演出される過剰な演技、美術背景、コスチューム・プレイの選択は、後のグリフィスがぶちまけてしまうスペクタクル性に通じているようで一興の余地はある。グリフィスの天然の一端を見る意味での駄作。
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