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[コメント] 指導物語(1941/日)

人々の心に邪さがなくって美しい。観終えて、思わず「大日本帝國、萬歳!」と叫びたくなった。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







物語に、と言うよりは、実際にこの時代に生きていた人々の在り方に、良さを感じた。やっていることは戦争であり(戦争そのものが描かれるわけではない)、この映画はまぎれもなく戦争協力映画である。だが国民の一丸となった姿には、オリンピックかワールドカップの誘致でもしているかのような清々しさがある。極度な精神主義が見てとれるし、それを善とし、自分たち以外の社会にも通ずると固く信じている傲慢さがあるし、女性の立場が弱く、個人としても弱い者と描かれていて、可哀想ではあるが、ああ、やっぱこの人たちに戦争勝たせてあげたかったなぁ、と思ってしまう。

本当に逼迫した戦時下であったら描かれないような?、スキー場に向う同年代の若者たちを想う兵士の姿や、戦死した兵士のために読み上げられる弔辞を、いまいましげな表情で?聞く国民(丸山)の姿、出征兵士を見送っているのに涙ぐんでしまう娘たちの姿が描かれ、興味深い。

思うに、貧困というものが観念的に捉えられているきらいがないだろうか? 数年前にあつらえた着物を(こっそり)質に入れることで、その冬がなんとかしのげるというくらいなら、まだまだ余裕があるということではないか。近所づきあいみたいなものが取り立てて描かれるわけでもないし、むしろ人づきあいの冷淡ささえ感じ取れたが、今の社会の物差しでは計れない≪豊さ≫があるようにも感じてしまった。

一つクエスチョンだったのは、三女が勝手に学校を辞めてしまい、次女とともに旋盤工になったことを父に告げるシーン。はじめ父は怒り出すのだが、原節子(長女)に、今のような時局では、(旋盤工の方が)学校に通わせるよりもお国のためになるのではないか、と言われると、なんとなく矛を収めてしまう。私としては「お父さんはそんな考えでお前を学校にやってるんじゃない。お前にだけは、ちゃんと教育を受けてほしいんだ」云々と言ってほしいところであり、そう言えなかったところに戦前の日本の弱さがあるように思えたりもするわけだが、小学校出の父親がそこまで言ったら出来過ぎで、現実味がないということかなあ、とも思ったりする。昔の映画を観るときは、こういうところは保留にしておかざるを得ない。

80/100(09/10/03見)

(評価:★4)

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