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[コメント] 指導物語(1941/日)

この映画、めちゃくちゃ面白いじゃないか。タイトルバックは並走する機関車C58。まず、この冒頭だけで、スゲーっと思いながら見る。機関車を魅力的に撮ろうという気概に満ちている。可能な限り、ありとあらゆる場所にカメラを据えているのではないか。
ゑぎ

 走行訓練場面等で、背景(風景)が流れるカットは、スクリーンプロセスだが、これも見事。時速の目測の訓練等とても見応えがある。場面によっては、機関車のミニチュア、風景のジオラマも使ってロングショットを作っている。夜の雨中の走行等。また、機関車は、しばしば擬人化される。例えば藤田進の母親からディゾルブで機関車に繋ぐ等。

 そして、指導者のまるで恋愛感情のような愛情は普通じゃないと思える。その過剰さかが、プロパガンダなのかもしれないが、同時に映画的でもあるのだ。主人公の老機関士・丸山定夫が新人機関員の藤田進を育てようとする感情は、お国の為、なんてことを超えているように見えるのだ。お互いに、とても嬉しそうに遠くから駆け寄るカットなんかでそれを感じる。

 また、丸山定夫の娘・原節子が質入れを用意するシーンの隙間風の音響表現や出征の見送りシーンの悲痛な表情は、戦意高揚の企図と相反するように思うのだが、熊谷久虎の真意はどうなのだろうか、とか、当局もこのレベルであれば見過ごすのか、いやいや、私の心性による認知バイアスなのか、などと要らぬことを考えてしまう(当局は、この表現で戦意高揚に資すると考えており、私が過度に悲痛な表現だと認識してしまっているのか)。

 尚、終盤の線路敷設演習のモブシーンのドリーとパンニングも凄い撮影だ。特記しておきたい。

(評価:★4)

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