相変らずの御大の御託は少々わずらわしいが、女優たちのさりげなくセクシーな衣装や、銃をはじめとした数々の装備（アイテム？）などは、全体として「一つの世界」を感じさせるまとまりをもっており、「なんだかんだ言ってもさすがだなあ」と感心する。

そういう完璧につくられた世界は嫌いじゃない。ただ、その世界の中では女優たちはほとんどしゃべらない方が良いらしい。むしろ長い台詞を言おうとするとボロが出る。黒木メイサはかなり危なかった。他の二人はしゃべらないからこそ良かったというべきか。

また、イェーガー藤木義勝が荒野で、パンとハムエッグをフライパンから直接食べていたシーンは、宮崎駿ばりによくできた出色のシーン。思わず食べたくなるほどのシーンだった。

ただ中盤にあったカタツムリをめぐるシーンは不要。監督の自己陶酔の極致のようなシーンでない方が良かった。