[コメント] ずっとあなたを愛してる(2008/仏=独)
心を閉ざした人間がやっと融解するその時、、。15年の時間は彼女にとって止まった時間だったのか、出所してから女は体と心を日常に浸ることにより徐々に癒されていく。その過程を丹念に描いていく。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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何気ないセリフから彼女が刑を終えて出所した人間だと分かってくる演出ぶりは初監督とは思えない才気ぶりである。肉親の妹との葛藤を経た親しみ。夫を始め、家族、友人たちとの触れ合いから子供を殺してしまったという罪の意識からだんだんと解放され、人間性を取り戻していく女。
文学的な題材なんですね。徐々に女が人間性を取り戻していくプロセスはフランス映画らしくきめ細かい描写で安心できる。そしてラスト近くの女の殺害動機に焦点は絞られる。というか、殺害理由をラストまでこの映画は引っぱっている。こういう追いこみ方をしているので映画としてどうしても動機付けが重要になってくるのであるが、、、。
結果は、まあ予想された範囲を出ていない。というより、警察、裁判所で真の殺害理由が何故解明されなかったのだろうか、という疑問を持ってしまう。15年ということは悪質な殺人としての刑期だと思われる。恐らく子供は入院していたのだろうから、状況証拠はあったはず。ましてや、妹なり友人がこの事実を全く分かっていないとは考えられないのでないだろうか、、。
とこう考えてしまったら、この映画は何か作りごとめいた文学小説のように思えてきて少々鼻白む思いになってしまいました。僕が素直でないだけなのかな、、。
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