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[コメント] 栄光何するものぞ(1952/米)

見処は前半のコメディで破天荒に快活でとてもいいのに、後半戦争に戻ると退屈になる。全部コメディで終わらせて西部戦線を無視したらもの凄いのだけど、勿論そうはならず予定調和の感。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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紫がかった1918年西部戦線から戻るヘロヘロの米海兵隊を讃えるリパブリック賛歌という詩的なアーバンタイトルから一転、OPタイトルはエンブレム背景にやたらのマーチ。世界を回った歴戦の勇士とナレーションが讃えてウォーリー・ヴァーノンがダラダラと登場。おきゃんな年増女コリンヌ・カルヴェのいる酒場に突撃。そして気は優しいが荒くれ者のジェームズ・キャグニーロバート・ワグナー、相対するは生真面目な少年兵たちとの絡みで持って、定番ノリは完成している。

バイクで爆走して激突したり命令で橋から川に転落させたり。銃を両手で持って『フルメタル・ジャケット』みたいな艶笑唄を合唱。本邦のトンデモ兵隊ものにも影響あるだろう。あとは少年兵と地元学生マリサ・パヴァンの歌唄いあう淡いロマンス。そして結婚式のドタバタが軍の規律の限界のなかでハメ外される。それぞれ俳優がいいから愉しめる。場所は仏バーレリュックという美しい村。フランス語が判らないというギャグはあんまり面白くない。

シリアス後半はヘルメットぶら下がる墓地など映して始まり、戦場はセット臭いのを隠しておらず、赤紫色の空が虚構を強調して清順のよう。前半をシリアスに反省したり仲間が怪我したり死んだりしながら戦闘。それでもオンナのところへ戻ってしまうのはフザケていて面白いが、シリアスな話にまとまる。まあ当たり前だが、前半のコメディとの組合せが上手くいっていないと感じる。ラストは哀愁の再出動、軍隊はみんな馬鹿者という総括で終わるのだが、そんなんでいいのかと思わされた。

(評価:★3)

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