[コメント] 手をつなぐ子等(1947/日)
冒頭、体育の授業で号令をかける先生は伊達三郎じゃないか。これは嬉しい驚きだ。主人公の寛太は、すぐ転校するので、伊達の出番が冒頭だけなのは寂しいが。寛太は学校の廊下で勉強している、という噂を聞いた父親の香川良介が、確かめに行く場面。
ミシンを踏むカットから、ディゾルブで自転車をこぐ足へ繋ぐ。『無法松』の車輪の繋ぎなんかを想起するが、続いて、学校の階段を上る香川の足、廊下の寛太を前進移動しながらディゾルブのポン寄り、といった鮮やかなカッティングに瞠目する。
寛太は転校を繰り返すが、最後に落ち着いた学校の校長が徳川夢声、担任が笠智衆だ。寛太は学校が大好きになる。笠智衆と同僚の先生・泉田行夫が、校内を二人で歩くシーン。長回しの移動撮影が凄い。ステディカムのない時代に、素晴らしく安定した移動ショットだ。本作でも、稲垣+宮川らしい、どこにカメラを置いたのか分からないような不思議な視点のカットがある。屋根上から町を撮ったようなカット等。あるいは、朝もやの中の校門のショット等、撮影の見せ場も多々ある。
プロット展開としては、中盤以降、いじめの描写もあるが、後半の寛太の活躍ぶりが清々しく楽しい。相撲大会でフラストレーションが解消される構成になっている。あと、矢張り、ガキ大将のヤマキン・山田金三のキャラ造型は中盤の見どころだ。確かに彼がおとなしくなっていく過程の演出は、単純過ぎるキライはある。
#日中戦争が始まってすぐの頃の京都が舞台。寛太の父親の香川は、途中で召集され、戦地から寛太のことを心配するが、子供達の生活描写にほとんど戦時色はない。学校の遠足で、嵐電に乗り嵐山へ行き、時代劇映画の撮影風景を見る場面がある。
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