[コメント] バッド・ルーテナント(2009/米)
ハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのか、善玉なのか悪玉なのか、コメディなのかサスペンスなのか…作品を構成する全ての要素が白黒の判別不能な本作は、家族友人に推薦するには複雑怪奇。恋人を誘うにはあまりに高揚感がない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「ニコラス・ケイジ主演の刑事ドラマ」といった短絡的なタグラインをつけるのはあまりにも的外れで、ニコラスのタレントパワーが凋落している昨今の我が国においては、なかなか興業的成功は望めないだろう。実際、劇場公開時にヒットしたという話も聞かない。
また、善悪の境界線が限りなく透明に近いグレーな映画のため、明確なオチがつかない。ニコラス・ケイジが破滅に着々と進路をとる中盤の流れがありつつも、終盤で思いっきりちゃぶ台をひっくり返す。明確なオチがつかないということはつまり、どこに向かう映画なのか判然としないということであり、通常であればそれはお話を語る上での推進力に欠けるということだ。
しかし、それにも関わらず、本作は面白い。ひき笑いで低温火傷しそうだ。
その魅力のほとんどすべてを引き受けているのが、やはりニコラス・ケイジであることは言うまでもなく。非常に説明しづらい細かな描写(イグアナと目があう、髭を剃りながら登場等等)とドラッグハイな演技の乱れ打ちで、ほんと、腹いたい。
しかし、これは個人の生理に根差す笑いのため、人に説明したり、ましてや理解を求めることは難しい。うーん、本作を担当した評論家や宣伝担当者の気苦労がしのばれる。
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