最近のコメント 10 |
★4 | 海辺の彼女たち(2020/日=ベトナム) | 日本人雇用者と搾取される技能実習生というマスコミライクな構図でなく、鯔の詰まり外国人コミュニティの同胞にも喰い物にされるというアンダーグランドなリアル。中盤以降、映画は溝口的に女の生き辛さにドライブする。雪舞う中の長回しの彷徨は白眉。 | [投票] |
★3 | 伊賀忍法帖(1982/日) | 確信的にやってるのか、或いは『ワタリ』や「赤影」のテイストを伝統の名のもと天然で踏襲しているのか知らないが、ただただ一言レトロであって、煎じ詰めれば良い。ただ、哀しいことに第三の新人渡辺典子にオーラが大して無かったということなのだろう。 | [投票] |
★3 | 暴力脱獄(1967/米) | 何かの為に我を通すのでなく行き場がないモラトリアムの成れの果てであることが露見する。そういう意味でジョー・バン・フリートとの邂逅シーンは甘えん坊のボクちゃん本質が露呈されて出色だ。ケネディの虚仮威しも合い俟り遣る瀬無せしか残らない。 | [投票] |
★2 | レイズ・ザ・タイタニック(1980/英=米) | 全てはタイタニック引き揚げシーンに収斂すると言うより、そこだけ押さえとけば良しというかの如き地味つまらなさで、ロマンティシズムはもとより諜報戦や工作員の哀感など欠片も見受けられない。華ない役者陣の中ジェイソン・ロバーズの渋さのみ際だつ。 | [投票] |
★4 | すずめの戸締まり(2022/日) | 恋の萌芽やロードムービーの余韻は地震の予兆→戸締まるのワンパターン反復の特急電車な性急さに埋没しかけるが、閉じ師の彼が退場して以降の鈍行電車な余白が効いた。そのおかげで時と空間が縦横に錯綜し畳み掛ける終盤の新海お家芸も映えるってもんだ。 | [投票] |
★4 | 忠臣蔵外伝四谷怪談(1994/日) | 『忠臣蔵』にせよ『四谷怪談』にせよ大概にして欲しいという何の新鮮味もない題材を合体させると言う臆面の無さが素晴らしいと言えば素晴らしい。深作にしか出来ぬ芸当。そのいったらんかいの混沌から佐藤浩市の何とも言えぬ虚無的風情が表出する。 | [投票] |
★3 | ザ・メニュー(2022/米) | ネタが割れるにつれ底浅が露呈していく。内装と器だけご立派で料理は凡庸な新装レストランみたいな映画。中盤以降アニャVSファインズの対決構図を指向するが行き切れるわけない。だって2人は同じ側の人間だもん。撮影と美術の良さには唸らされた。 | [投票] |
★3 | 京浜抗争史外伝 最後の組長(2000/日) | 最早何も今更抽出し得べくもない任侠道と功利主義の確執を描くに当たり、今を表出させるべく持ち出したのが冒頭の女子高生のパラパラだったのだろうか。哀しいまでの鳥井監督のセンスのズレに戸惑うが手堅い出来ではある。安藤カメラの下支えだろう。 | [投票] |
★3 | らせん階段(1946/米) | 優生思想に基づき惨殺し続けるという一方ならぬキャラ設定にしては、その殺人鬼の描き方がぬるい。全てを察知してるらしいエセル・バリモアも傍に居続けるので終盤が唐突でカタルシスに繋がらない。演出に抑制があるだけに目アップの反復は余計に思える。 | [投票] |
★3 | 情事(1960/伊) | 前代未聞の問題作であったろうしアイデアは文句無く傑作ではあると思うのだが、未だ中途半端に自然主義の尾をひきずっており、圧倒的な喪失とヒリヒリした不安を抽象化し画面内に定着させ得ているとは思えない。撮影者の問題だと思うし、戦慄が足りないのだ。 | [投票] |
最近のあらすじ 5 |
★4 | マロナの幻想的な物語り(2019/仏=ルーマニア=ベルギー) | 血統書つきの父犬と優しい雑種の母犬のあいだに産まれたマロナ(リジー・ブロシュレ)は9匹兄弟の末っ子。彼らはほどなく貰い子に出されていく。マロナは大道曲芸師のマノーレ(ブルノ・サロモネ)に引き取られアナと名付けられる。彼の曲芸のパートナーとして活躍したマロナは可愛がられて幸せな日々であった。そんなマノーレに仕事をステップアップするチャンスが訪れる。しかし、それにはマロナが障害。そのことを知った彼女は…。2020年東京アニメーションアワードフェスティバル長篇グランプリ受賞。ドキュメンタリー出身のアンカ・ダミアンアニメーション第2作。 | [投票] |
★4 | 白昼の決闘(1946/米) | 先住民の血を引くパール(ジェニファー・ジョーンズ)は父が母の不倫を知り射殺、自らは死刑となり、父の昔の知己ローラ(リリアン・ギッシュ)に預けられる。ローラの夫のマキャンレス(ライオネル・バリモア)は大牧場主だが混血のパールに冷淡であった。長男ジェシー(ジョゼフ・コットン)は進歩的な青年で、一目でパールに惹かれる。そしてまたパールも彼に思いを寄せるのであった。そんな折、旅に出ていた次男のルート(グレゴリー・ペック)が戻ってきたが…。デヴィッド・O・セルズニックが第2の『風と共に去りぬ』を謳い文句に自ら脚本を書き妻を主演させた超大作。 | [投票] |
★5 | 僕の好きな女の子(2019/日) | テレビ脚本家の加藤(渡辺大知)は今日も今日とて美帆(奈緒)との待ち合わせの場所に向かう。そして、やってきた彼女のペースに合わせて毒にも薬にもならない受け答えを嬉しそうにする加藤であった。友人たちは、そんな2人の関係を見て、本命男との間隙を埋める都合のいい男でしかないと詰るのであったが、加藤は判ってたまるかと嘯く。が、内実はその通りだとわかっているのだ。そんなある日、美帆が本命男に振られたと聞いた加藤は、決意を胸に待ち合わせ場所へ向かうのだが…。『劇場』のプロモーションの陰で吉本配給でひっそり封切られた又吉直樹のエッセイの映画化。玉田真也監督第2作。 | [投票] |
★3 | ソワレ(2020/日) | 役者を志し上京した翔太(村上虹郎)はオレオレ詐欺の受け子で食い扶持を稼ぐ荒んだ日々。劇団が故郷、和歌山の介護施設で演劇教室の仕事を受け故郷に再び向かう。施設で彼は1人の介護士の女性が老人の悪戯に過剰反応するのを目撃する。彼女の名はタカラ(芋生悠)。かつて父親からの性虐待にあった過去を持ち父親が近く出所することで不安に駆られていた。夏祭りの日、タカラの家に迎えにいった翔太は異変を感じ家に踏み込むと父親が彼女を襲っていた。咄嗟に救った翔太だったが逆に押さえつけられる。そのときタカラが裁ち鋏をもって飛び込んできた…。豊原功補、小泉今日子らによる新世界合同会社第1回プロデュース作品。 | [投票] |
★4 | 怪猫トルコ風呂(1975/日) | 昭和33年4月1日。売春防止法が施行され遊郭を経営していた柿沼(殿山泰司)は業態をトルコ風呂に変え、店の女の子たちも請われるままトルコ風呂従業員となった。しかし、雪乃(谷ナオミ)は恋人の鹿内(室田日出男)との新生活を夢見て誘いを断る。しかし、鹿内は雪乃を働かせてヒモ生活を送るつもりだったのだ。結局、彼女はトルコ風呂で再び働くことになった。そんなとき高校を卒業した雪乃の妹、真弓(大原美佐)が上京してきて居候することになる。真弓に目をつけた鹿内は雪乃を住込みにさせ、彼女を強姦するのであったが…。山口和彦監督第14作。 | [投票] |