[コメント] マイ・ライフ、マイ・ファミリー(2007/米)
不確かでも希望を捨てきれない中年の苛立ちと悲しみがジョンフィリップ・シーモア・ホフマンとウェンディローラ・リニーによって観客にじわじわ伝わってくる。地味だけれど非常に味のある作品。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
大人になれなかったボケた父を看病することで、ようやく家族らしい束の間の営みを経験し、子どもとしての責任を感じている兄と妹。父の老いを目の当たりにし、自分たちの置かれた状況を甘んじて受け入れ、くやしさ、ふがいなさ、ほんの少しの希望を見出していく。
社会的にはある程度成功しているが優柔不断で押しの弱い兄。負けん気なくせに地に足がつかない妹。フィリップ・シーモア・ホフマンとローラ・リニーのキャスティングがあってこその作品である。
アリゾナの姥捨て山事情、介護、都会での暮らし、孤独、虐待の後遺症、人種、移民、ステップアップ、家族関係など、少しずつではあるが、人生問題山積だよね、と問題提起もしている。それでも介護士とねこのエピソードや、ラリー ピーター・フリードマンの存在などでほっとするシーンもあり、ラストでは一歩踏み出したジョンに希望が見出せたことはよかった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。