[コメント] 女猫(1958/仏)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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見張りのはずが主犯の男はいなくなり、怪しく爆弾渡されてさあ行けと云われて突撃。素晴らしい。
映画はアルヌールの太腿チラリに全力を傾けており、これもアンナ・カリーナの先駆。ナチにズルズル救われた彼女は処刑された方が救いだったのだろう。始終なぜかアルヌールを迷惑がっているレジスタンスの親玉が最期に拳銃ぶっ放すショットが凄い。鮮烈なショット。なぜ親玉はアルヌールを毛嫌いするのか。これが不気味で物語を引っ張る。亭主が死んで直ぐ別の男に寄り添った彼女の倫理的な懲罰だったように思われる。捉えられたレジスタンスたちの沈んだ顔に求心力がある。
何で爆弾盗めたのだとか、いつの間に家に帰ったのだとか、話はB級らしく杜撰で、ベルナール・ヴィッキみたいな芋男を出すフランス映画のセンスには馴染めないが、まあ些細なことだ。ナチ側の人物を同情的に扱い、レジスタンスの方に非情さを認めているのは興味深い。製作者が反共だったのかも知れず、また終戦直前には猫も杓子もレジスタンス、右翼のレジスタンスまでいたそうだから、その辺りの批評があるのかも知れない。
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