[コメント] キルショット(2008/米)
殺し屋ローク再び
オープニングの雰囲気からして派手なスタイリッシュドンパチ映画かと思ったのですが、逆に古臭いとすら感じる作風でした――=つまらないという意味ではありません。どうやら原作が古いようです。もうちょっと渋めのオープニングにするべきだったような感じがします。
ロークは過去にも「人を殺したことを少なからず悔いている知的な殺し屋」といった役柄を演じた経験がありますし、マイノリティ役もまた多いと言えます。よって今作の彼の演技は安心して観られます。整形手術の失敗でかつての美貌ではなくなった事でインディアンらしい雰囲気はとてもよく出ています。 主人公の相棒は「おそらく」母親に対するトラウマでも持っているのでしょうか、それらしいものを仄めかしてはいますが、B級映画によくある類型的な狂人止まりな感じです。離婚寸前の夫婦は人物設定などまじめに創っていはいると思うのですが、地味ですし主人公たちとの絡みがいまいちでした。
この作品で何が一番不満かと言いますと、クライマックス以降です。主人公は饒舌になり、寡黙な時に比べ、底の浅い感じが滲み出てくる感じがしました……といっても「しゃべり過ぎるな。考えている事を読まれる」といった台詞があるので、それ自体テーマめいたものかもしれませんが。もっと地味にしてドラマを掘り下げるか、もっと派手なドンパチにするか、2時間前後の作品にするかのどれかが良かったと思います。
同じローク演じる殺し屋モノなら『死にゆく者への祈り』のほうがずっとおすすめです。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。