好感が持てる映画ではありました。

いかにも女性監督らしい配慮がなされていて、ハードに女性同士を演出するのではなくて、心の葛藤とかをそれなりに上手に描写していたと思います。

満島ひかりさん、いいですね。

とてもいい。主役ですし。

彼女のバイオグラフィーからすると、やはり『愛のむきだし』の印象が随所に出てくる。

それがちょっと気になりますね。

演出する側からすると、普段はおっとりしていて、フツーの女の子なんだけれども、何かきっかけがあってカミングアウトすると、突然激情する。その激情する瞬間の演技力が『愛のむきだし』のそれだったりすると、ちょっと辛い感じがするんですね。

演技は申し分ないし素晴らしい。

だけど、同じ演技を繰り返していては成長がない。

このあたりが女優として難しいところですね。

才能はあるけれども、本当の彼女の魅力とか成長力ってもっともっとすごいと思えるんですね。

この映画の少女のような彼女の姿と、ちょっと女性（おんな）としての彼女の姿って、あんまりメリハリがなかったじゃないですか。

もっとこう深く深く、何か大きなきっかけのようなものがあるといいと思います。

彼女が大声で叫ぶ

という定番に、あまり固執しない方が良いと思うのですがいかがでしょう。

大好きなだけに気になります。

（2011/04/01　自宅）