ラストシーンが素晴らしい。

自分を罵り虐待し続けてきたモンスターさながらの母親も、つまりは自分と同じ“愛を乞う弱者”に過ぎなかったという事実を知った少女は、欺瞞と同情に満ちた即物的な救いの手をその疲れ果てた母親に差し伸べることは敢えてせず、その場所から颯爽と飛翔する。自分自身の人生と二人の子供の手をとって。

大人になることは、他者の痛みを知り、それでも尚前に進もうとする決意だとするならば、一人の「少女」が愛と強さを秘めた「女性」へと羽化する姿を、僕はこのラストシーンに、みた。