[コメント] 夕陽特急(1936/米)
列車で始まり、列車で終わる。冒頭の列車の場面は、NYからサンフランシスコへの帰郷シーンだ。前作『影なき男』のエンディングから繋がっているのだと思う(ハメットの原作「影なき男」は既読)。
自宅に帰ってきたら、何故かパーティが行われている、という出だし。結局、この映画は主演の二人、ウィリアム・パウエルとマーナ・ロイの掛け合いに尽きる。原作はハメットになっているが、前作の主役二人のキャラを引き続き使っているに過ぎないのではないだろうか。ハードボイルドの雰囲気は欠片もない。ということもあり、殺人事件とその謎解きも面白くない。
画面造型で見るべきシーンも余りないが、ジョセフ・カレイアが経営する中華料理店でのショーの場面は良いと思った。ペニー・シングルトンが、唄い踊る。こゝのマルチ撮影が、カッコいい。カレイアも相変わらず貫禄がある。 脇役で、デビューしたての若きジェームズ・スチュワートが出ており、活躍を期待するのだが、中盤から存在が消えてしまう。代わりに後半は、刑事役のサム・レヴィーンがよく目立つ良い役だ。
また、有名な名犬アスタに関しても、その家族と黒犬の描き方が中途半端だし、アスタが、手紙付きの石を咥えて逃げ回るシーンも長くて宜しくない。
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