[コメント] カラフル(2010/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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個人的な話をすると、小5から中1までこの真のような生活を送っていた。幸福な事に自殺を考えるまで絶望することはなかったが、ニヒリズムに徹している真に当時の自分を見るようだった。こういったバックボーンがあるので、心に刺さりそうなものだったのだが、残念ながら期待ほどではなかった。
理由は2つある。まずは序盤から中盤の構成があまりに冗長であるという点。本作で最も盛り上がらなければならないのは真が母が作った食事を食べるところであろうが、そこに導くまでが長すぎる。人にしろエピソードにしろもっと刈り込める。後半の展開も突然であり、展開構成に苦慮してとりあえず並べたと言う印象すら受ける。奥寺佐渡子辺りが書いたら適したレベルになったのではないかと思う。
もう1つは主役の冨澤風斗の演技力がキャストの中で1段落ちる点。他がキャラクターに合っているだけに(南明奈ですら違和感がない!!)、その所々が非常に気になってしまう。合っている所も多いのだが、予告編でも使われている「何でこいつなの?僕は何したの?」の所の合わなさたるや非常にがっかりである。主役であるだけにもったいないと思う。
骨子だけを考えたら傑作になるべき素材だと思うが、料理方法を間違えてしまった結果名作に止まっている。今夏のアニメ日本代表は本作であるのは間違いない。しかしながらこのレベルで止まって欲しくはない。十分及第点レベルはクリアしていることは強調するが、少々がっかりしたのも否めない作品であった。
最後に1つ。本作の制作にフジテレビ亀山班が関わっているようだが、なぜオフィシャルホームページでその情報がひた隠しにされているのか理解に苦しむ。正直亀山班の関わりを事前に知っていればもう少しハードルを下げて観れたのでその点は非常に残念だった。
(2010.08.21 tohoシネマズ上大岡)
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