[コメント] ジャーロ(2009/米=伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
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被害者となる日本人の観光客(演じてるのはたぶん日系の人で、微妙に日本語が聞き取りづらい)が残したダイイングメッセージ「黄色」(=Giallo)がそのまんま「黄色い顔の殺人鬼(黄疸)」だとわかるところは、なんていうかこう、ねえ、その……と反応に困る(しかも特に伏線として気を持たせることなく「黄色……そうか、黄疸か!」と速攻気付いて、しかもカットバックでそれまで隠していた殺人鬼の顔がばーんと登場する。でも照明の関係か我々が黄色人種だからか「黄色……いかなあ?」という微妙な感じに見えるとこもなんていうか困る)。ところで見たあとに知ったんですが、この殺人鬼ってエイドリアン・ブロディの二役なんですね。気付かなかった。
犯人を殺してしまったから妹の監禁場所がわからなくなったじゃない! あんたはやっぱりただの人殺しよ! とヒロインに詰られ、悄然と立ち去るエイドリアン・ブロディ刑事→ゆっくりと溶暗、となったときは「え、ここで終わるの!」とドキドキしてしまったが、場面変わってどっかの駐車場、タクシーのトランクに転がされてる妹が出てきてちょっと安心。見回りに来た警備員の靴音を聞き、妹がうめき声をあげて助けを求める。それに気付いて首をかしげる警備員。携帯電話に着信。「ああ、今日は早く帰るよ」。さらに強くうめき声をあげる妹。さすがに気付いて緊張する警備員。視線がタクシーへ向かうと、トランクの下から漏れ出ている血だまり……と、ここで「監督:ダリオ・アルジェント」とかぶさってざっくり終わり! 「え、それで終わっちゃうの!」と二段重ねで驚けることうけあい。
いや、確かにオチてるし、別にここで終わってもいいんだけどさ、なんていうの、このなんとも言えない感じ……という絶妙の間合いが今作でも楽しめます。ちなみに日本版公式サイトでは、昔からのファンだというよしもとばななが「終わり方があまりにもクールだ!」と推薦の言葉を述べていましたが、「わかるよね、ね!」というのがにじみ出ていていいです。
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