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[コメント] 悲しみよこんにちは(1957/米=英)

ジーン・セバーグが一番演技力を爆発させていた作品ではないだろうか。肉体の幼さの小ささが、カメラ目線の瞳の小ささが、宇宙誕生の瞬間を想像させてくる。そして白黒とカラーに、カラーから白黒になる毎にジーン・セバーグが美しくなっていた。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ジーン・セバーグのフィルム上で潤んだ肌と似合いすぎるショートカットが、時に天使と小悪魔となり作中で縦横無尽に無邪気に走り回る。それが危なっかしくも、青春を幸せを謳歌する本来の自然な姿でありながら、見ていて不思議な感覚をラストに覚えた。

これ以降のジーン・セバーグの人生を予兆しているかのような展開で幕を閉じるのだが、そのあまりにも誰しも起こりそうな重大なことを過ぎ去り日と出来ないままに幕を閉じる衝撃が強い。本当に、この作品後のジーン・セバーグの人生が、作中のジーン・セバーグの役がFBIとなり逆に追われていく立場となると誰が予想したか。ジャンヌダルクを演じたがために、女優人生に重荷を背負ってしまったが、彼女は映画作品で生き続けていくのだろう。

この作品の3年後という設定の『勝手にしやがれ』で受け継がれた。そして、他の女優とは一線を画し、自分を貫いた彼女ジーン・セバーグの繊細な魅力が永遠に受け継がれていく事を望み願い冥福を祈る。

2003/1/8

(評価:★5)

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