[コメント] ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1(2010/英=米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
2部作でありながら146分の大作。
疾走感あふれ、その長さは気にならない。この作品に限っていえば、そのあたりは見せ方の妙というか、テンポがいい。独特の世界観は健在で、その一つ一つ、アイデアや情景が面白い。この世界観に"入る"だけでもこの映画を見る価値はあるだろう。
この『ハリーポッター』シリーズは現代の古典という表現がピッタリな気がする。 魔法使いという古典的なキャラクター設定であるが古さは感じられず、先にも述べたがオリジナリティのある設定は郡を抜き、『ロード・オブ・ザ・リング』と並び、長年にわたって伝えられるだろう。 子供にはぜひ見せたいと思うシリーズではある。その点は評価したい。
しかし、テンポがいい…、裏を返せば話が表面的だった気がする。 原作どうのこうのということではなく(そもそも私は3巻までしか読んでいないので)、この映画自体、大人が見るには子供っぽすぎる。 急にハリーとハーマイオニーが踊りだすのも謎だし、剣がいきなり見つかるもの唐突過ぎる。ロンがハリーたちと仲違いをして再び帰ってくるくだりも、それぞれの感情をえぐるような表現もない。またあまりにも逃げ回ってるだけ(分霊箱を探し回ってるだけ)のシーンが続き、間延びしている感も否めない。 ドビーの死に対するハリーの行動も過剰な気がする(映画に出てきたのは『秘密の部屋』以来では?)し、それに対してフクロウに対しては見送っただけ。
ロケットを身につけると悪い自分が出てくるという設定は『ロード・オブ・ザ・リング』と同じだが、表現の仕方が『ロード・オブ・ザ・リング』の方がはるかに丁寧でうまかった。
途中で出てくる3兄弟の話は秀逸。 3Dでこそのものだろうが良くできていた。
魔法使いという設定であるがため、残念ながら、"得意の魔法で何とかしろよ"という評には何も言えないのが痛い。
特にテーマを持って作られたわけではなく、原作の映画化、映画シリーズの完結編にとどまってしまった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。