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[コメント] ようこそ、アムステルダム国立美術館へ(2008/オランダ)

館内をひしめく多数の美術愛好家風の女性たちを、最初の10分間でまったく異質のドキュメンタリーだと思い知らせる作品です。この映画、ほとんど美術作品は出てきません。美術ドキュメンタリーものではこの点だけで完全異質です。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず、再建にあたり、現在館内を通り抜ける自転車通路でもめます。美術品の所蔵よりも自分の生活優先の、人間のむき出しの醜さが露呈します。ここは税金で建てられる建物だからです。委員会にかければますます瑣末な問題を抱えてくる。そう、この映画は一市役所の議会での問題点をそのまま映し出す。

たまたま議題が美術館の再築ということだけで、なんら年金問題と変わりありません。ですから、映像に映されるのはただ公務だけです。美術館を建て替えするのにみんなの意見を聞いていたらまとまらないのは必定。そして映画では延々と建築が延びていくのを映しだす。この映画の完成後もまだ美術館は出来得ていないのである。

ただレンブラント、フェルメールの絵画を大きな映像で見たいがためにこの映画を見てしまった吾輩は最初の10分で大いに気を落としてしまったものだが、それでも人間の営みに面白くないものはない。実に面白いのだが、でも、いつも見ているものを再現されてもそれほど興味のわくものでもない。ドキュメンタリーとしては優秀かもしれないが、恐らくすぐ忘れてしまう映画の一つになってしまうだろうと思われる。

(評価:★3)

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