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[コメント] ばかもの(2010/日)

純愛モノとして観るべきか、脱アルコール依存症モノとして観るべきか。支流が2本共本流並みの水量と勢いを持っているので難しい。約10年間分の人生を成宮寛貴は見事に演じきったと思う。彼の発した「ばかもの」の表情は素晴らしく清々しかった。が、→
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 僕は体質的に受けつけないのでお酒を一切嗜まない。なので、アルコール依存症がどれくらい辛いものなのか本当は全くわからないのだが、大須秀成(成宮寛貴の堕ちていく様を観ているだけで怖さは充分伝わってきた。

 大学2〜3年の冬くらい(友人の就職内定時期から察しても、大体20歳〜21歳くらいか)で童貞喪失。

 初々しい成宮の演技は男なら誰でも共感が持てるシーンだと思う。しかも相手は一人暮らしの年上女性と来たら、もうヤりまくるしかないっしょ?w って感じがヒシヒシと伝わってきて、それと同時に若かりし頃の自分を思い出してちょっと懐かしく感じた。

 ポールスミスのダッフルコートを誕生日にプレゼントしている辺り、吉竹額子(内田有紀)も完全な「遊び」ではないだろう事は察することができる。安いもんじゃないだろうから。

 本作では高校以来の同級生・山根ゆき(三井ゆり)が29歳で亡くなったとニュースで報道があったので、約10年弱の期間を描いている様だが、成宮は髪型、メイク、表情、演技で見事に演じきったと思う。

 が、彼の周囲の女性が皆可哀相過ぎる。なので、純愛モノとして手離しでハッピーだねぇと言えないのが残念。

 中華料理屋の娘・なおちゃんもそうだが、特に、翔子さん(白石美穂)。

 適齢期を無駄にした感じで余りに酷。秀成の最もアルコール依存が激しい時期に巡り合い、暴力まで振るわれてる様子だったし、散々だ。彼女は彼女なりに頑張ったとは思うけど、うーむ、無念。

 額子のキャラクター造形は余り好きではないが、演技は満足。ニット帽を被った初登場時は完全に山Pに見えて仕方なかったけど。

 彼女なりに自責の念に駆られていたこと、(単に年齢のせいだけではなく)白髪になった理由、握り締められた馬券など、純愛モノに必須の要素は数多く配置されているのだが、どうにも好きになれない。別れ方も最悪だったし、最初に酒を勧めたのも、そもそも彼女だし。トラウマになっても仕方ないかも…。

 山根ゆきの宗教依存による死は自業自得といった感。

 レヴューは支離滅裂ですが、純愛モノとしては周囲に迷惑を掛け過ぎだし、脱アルコール依存症の男の話としては額子を引っ張り過ぎ。素直に中華料理屋のなおちゃんとハッピーエンドの方がスッキリする。よって微妙な判定。

 でも、人生って逆にそういうもんかもしんないな、っていう説得力はあった。よって、★4つ。

 ちなみに一晩に13回が僕の記録www(当時15歳)

(評価:★4)

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