[コメント] スプライス(2009/カナダ=仏)
3人の感情が歪んでゆく姿が丁寧に描かれており、クリーチャー映画ながらもドラマがかなり優れていて感心する。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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遺伝子操作で誕生させた生命体の女性に翻弄される科学者のカップルのSFホラー。
未知の生命体によるSFホラーの体裁をとりながらも、あえて生命体による殺戮というホラー寄りの展開にせずに、生命体を誕生させた科学者カップルと生命体の女性の心理ドラマを重視した展開には好感が持てる。
最初は、遺伝子操作で誕生させた生命体ドレンを怪物としてしか見なさないクライブと対照的に母性を持って子供のように育てるエルサだが、ドレンの成長と共にクライブは彼女に女性として性的に魅了されてしまい、遂にエルサが2人の性交渉を交わす姿を目撃したことで、今度はエルサが対照的にドレンに対し女性としての嫉妬を覚え、昔自分が母親にされたようにドレンを調教しようとする。
一方でドレンも、2人の性交渉を目撃してしまったこともあるだろうが、成長と共に女性としての本能で男を性的に愛する感情を持ち、その感情ゆえにエルサに対し恋敵とも思える対抗心を露にする。
この3人の感情が歪んでゆく姿が丁寧に描かれており、クリーチャー映画ながらもドラマがかなり優れていて感心する。
ただ、終盤でドレンが遺伝子変化で男性化し人間を襲う展開は、伏線があるとはいえ、ちょっと無理矢理感が否めない。またドレンの基となった生命体が途中で性変化したことを知っている2人が、ドレンにも同じ変化が起きることを危惧していないのも違和感があった。
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