[コメント] 恋とニュースのつくり方(2010/米)
いくら米国人だからって、いい大人がこんなに飛び跳ねたりくるくる表情を変えたりするものか。もちろん、だから面白いし感動的なのだ。ウェルメイドの域には達していないが、映画は恐るべきせわしなさによって欠点をくぐり抜けようとする。そのせわしなさの焦点はレイチェル・マクアダムスの身体運動だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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作劇上の粗は少なくないが、決定的なものをひとつだけ挙げるならば、視聴率の向上とともにファミリー的な結束を強める番組スタッフ・出演者の姿をまるで描けていないところだ。だから憧れの人気番組からオファを受けたマクアダムスと、それを知ったハリソン・フォードの心の揺れが真に迫って来ないし、その後のお定まりの展開も茶番に見えかねない。
しかし、これはマクアダムスの魅力が目一杯に詰まった映画だ。それだけでもこの映画の価値は揺るがないが、『グラン・トリノ』のクリント・イーストウッドを参考にしたか、低くかすれながら唸る発声のフォードだって悪くないし、ダイアン・キートンも下品な役柄にありながら最低限の品位を保っている。ジェフ・ゴールドブラムもまだまだ存在感があるところを見せつけ、シニア・プロデューサー役ジョン・パンコウの善良さは映画を柔らかくしている。そうなるとマクアダムスと恋仲になるパトリック・ウィルソンはやっぱりちょっと弱いと思うけど。
まあ何にせよ、現役の映画ファンを自認するのなら、製作にJ・J・エイブラムスと美術にマーク・フリードバーグがクレジットされた作品をみすみす見逃す手はない。
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