[コメント] 神々と男たち(2010/仏)
生きることの意味を、苦悩と葛藤のはざ間で問い続ける。その静かで生々しい息づかいは、信仰の有無を超えて、まぶしいあこがれと共感をよぶ。
本作は宗教と理性の結合という点でも示唆的である。真に生きることに誠実であろうとする者にとっては、信仰であるかどうかを問わず、日々の営みこそが本質的な意義を持つものなのだろう。
美しい音楽と一杯のワイン、生きる姿勢と道を互いに共有し理解しあう他者の存在。ただそれだけのことであっても、からだを震わすほどの生きる喜びを実感できる。
全体として淡々とした静かな映画であるだけに、よけいに鋭い問いかけが心に響く。私は真面目に生きているだろうか?と。
その問いかけはいずれは心の奥深くに沈んでいくだろう。だがけして消えることはない、そう願いたい。そしていつか、心とからだを震わせるほどの感動をもって自らの人生を祝いたいものである。
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