[コメント] アニキ・ボボ(1942/ポルトガル)
イタリアのネオ・レアリスモ作品の先駆的作品と評される本作だが、それらにある残酷でも優しくもある現実の直視はこの作品にはない。おのれの犯罪と偶然の事故とに翻弄される少年に、重い現実が突きつけられるその次に用意されたエンディングは、現実からかけ離れた甘いお伽話だ。子供だましか、と深い嘆息を洩らすよりなかった。
(水那岐)
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