[コメント] GANTZ PERFECT ANSWER(2011/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
-----(ネタバレ書いてます。けっこうオススメ映画なので観てない人は読まないで下さい)-----
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この世とあの世の交錯する世界、それがGANTZ。そう解釈した。
この作品に影響を与えたであろう映画マトリックスはキリスト教的だったが、それに対してこの作品は仏教的で非常に恐ろしい話に仕上がっている(原作漫画未読)。
私は最初、観ている家族の横で「ジャニーズタレントのための映画?なんだこれロボコンのガンツ先生か(笑)。ゲーム作って売る気満々な作品だな。観てないけどキルビル?安い映画はすぐ残酷描写に頼るなあ。血ぃ出してりゃ良いと思ってるな最近の若いやつらは。B級だな」とディスりながら観ていたのだが。。
それが、前編『GANTZ』の中間辺りからSF作品ではないことに気が付き、前編後編とこの作品を観るうちに、「罪 罰 輪廻 転生 無間地獄 餓鬼道」このような「言葉」が展開を通してポンポン飛び出てくるのを感じ、観ている私も登場人物らと供に地獄巡りをすることになっていた。
スプラッター映画はあまり好きじゃない。残酷描写も嫌いな方である。だが、例えば『椿三十郎』のラストがそうであったようにこの作品の大量の血も残酷シーンも必要不可欠であり、とても重要な意味を持っている。この作品では、大量の血は罪深さ、何度も繰り返される痛みは罰、地獄を表現した「美」として捉えることが出来る。
それから前作のネギ星人、これは、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の元ネタであるドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の『一本の葱』の話が、ネギ星人の由来だと思われる。やはり地獄がテーマの物語だ。
このようにこの映画は、仏教的な地獄の恐ろしさを表現した傑作であり、私が今までに観た地獄を表現した映画の中で、最も恐ろしい作品であった。(仏教神道キリスト教ごった煮感も有る)。
残酷描写が多いので未成年は観ない方が良い。寧ろ私ら年配者にお薦め。純粋な若い人よりGANTZに近いという意味で(笑)。
因みに:
「ロボコンのガンツ先生」=「黒い謎の球体GANTZ」=「閻魔」、ということか?
(主人公 玄野計とは 玄=天地万象の根源 それと 計り)
「玄野計」は「天の計り」なのか?
・・・ということなら、名付親の原作者もこの映画『Perfect Answer』を正解とするだろう。
■2011年頃鑑賞(原作は未読)■
2017.4.12
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