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[コメント] 引き裂かれた女(2007/仏=独)

シャブロルは潔い。こゝでも矢張り、殆どプロットの関連、科白や所作の意味を説明しようともしない。観客は出来事の真っただ中に放り込まれ、前後の説明もないまゝ「なんで?なんで?」と思いながら画面を凝視するしかないのだが、それでも面白い。いやそれこそが面白さなのだ。
ゑぎ

 序盤中盤ところどころに、見終わっても何だったのか、分からない部分が残るのだが、エンディングが最大のナンセンスさで、それまでの意味の落としどころを吹っ飛ばす。そう映画は理解するものではないのである。

 さて、主要キャストの内、女優3人が例によって目の保養になる。マチルダ・メイヴァレリア・カヴァッリというミドルエイジの女優に対比するようにリュディヴィーヌ・サニエが未成熟な女性として登場し、老作家フランソワ・ベルレアンによって調教されていくという、もうたまらん展開。フランソワ・ベルレアンのサニエに対する態度が不可解で、このあたりの感覚が一番よく分からないのだが、ふざけたエンディングを通過してみると、こゝも分からないのがいいと思ってしまう。

 あと、全てのシーン終結部分のカット繋ぎが素早く無駄がない。この処理は徹底的。本作の潔さにつながっている。

(評価:★4)

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