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[コメント] 引き裂かれた女(2007/仏=独)

そこかよっ!
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ヌーベルバーグ時代の一人でキャリアも長いのに、日本公開はその作品の半分程度しかないと言われるクロード・シャブロルの遺作。

この監督の作品は短編を1本観たきりなので何とも言えないのだが、少なくともこの作品に関して言えば、登場人物を単純な善悪で切り分けていない。 全ての登場人物に二面性が割り振られていて、観客の単純な感情移入を拒否しているように思える。

しかしそれは、“人間の奥深さ”を描写するというよりも、実験的な“設定のための設定”に見えてしまう。 何かこう、二面性が地続きじゃないというか、逆に単純に二面しかないというか、いやもうぶっちゃけ、80歳近い爺さんの遺作つかまえてナンだけど、幼稚にさえ思えてくる。

要するに、そうした二つの力、有り体に言えば男が女性に求める“清純さ”と“淫乱さ”によって『引き裂かれた女』ってことなんだろうが、それにしてもね、あのオチはどうしたもんだか。 そこかよっ!そこで終わんのかよっ!笑った笑った。

「爺さんと若い娘が恋する」男性映画であると同時に、「いろいろあったけど私は女優よ」女性映画、フランス映画によくある両方の系譜なのかもしれない。

余談

2007年の映画で日本公開まで4年もかかったのだが、いやあ、この頃のサニエ嬢は可愛いね。こんな娘にあんなコトやこんなコトしてみたいね。という実にオッサンなコメント。

(11.04.29 渋谷ユーロスペースにて鑑賞)

(評価:★3)

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