[コメント] 奇跡(2011/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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子役の使い方がこの上ないほど良い。
子どもに視点をあてた映画になっているが、かなり大人に寄り添った映画である。二つの列車が重なり合う直前カウントダウンをするかのような子どもたちの日常のコマ描写、そしてその直後に文字通り押し寄せる子どもたちの願いという名の叫び声、それに呼応し鼓舞するかのように響きあう社会(世界)の怒号。これを奇跡と呼ばずしてなんというと彼らに諭され打ちのめされた。
そうだ。ファンタスティックもドラマチックも造られた物語の中の出来事。私たちの誰にも訪れるようなオンリーワンな奇跡とはむしろあの日のキラキラした日々を指すのだろう。
くるりの楽曲も非常に良い。特に挿入歌の部分さすがは鉄道ファン、加速していく機体にワクワクする心情に心地良く相乗していくようだった。彼らが音楽を担当した映画は年々増えている気がするが今回が一番良かった。
他、印象的なのは超有名俳優女優陣の使い方。本来主演級の彼らや彼女らを置き去りにして走り出す列車こそが、この映画の真に造られた物語ではない「日常の物語」として語らせる説得力になっていく。何とも巧みだ。特に長澤まさみ、彼女のキャリア史上最も好演。
現に後半出てくる大人りりィ(十分超有名女優だけど)・・・いそうでしょ?(笑)
最後に一言。頻繁に『スタンド・バイ・ミー』を引き合いに出している光景を見かけるが、私にとって日本の『スタンド・バイ・ミー』は『どこまでもいこう』。異論は認めますん。(笑)
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