[コメント] エリックを探して(2009/英=仏=伊=ベルギー=スペイン)
ダメ親父がエリック・カントナを通して自分、そして家族と向き合っていくという設定は面白い。だが、社会の不条理をメインに描かないケン・ローチは、やはりあまり求められていないのではないか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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移籍当初低迷していたマンチェスターユナイテッドをヨーロッパレベルに引き上げた功労者たるエリック・カントナを「トレーナー」として使うのはある意味的確で、かつ彼を「ゴースト」として使うというアイデアは面白い。彼のプレーシーンもふんだんに盛り込んだ本作は、彼を使うというアイデア一点においては成功している。
だが、メインディッシュたる最後のギャング襲撃エピソードは正直いただけない。持たざるものが持つもの、力を持っているものに対してカウンターを食らわせる作品に『ミックマック』があるが、本作はyoutubeの使い方も含めあまり考えられているようには思えないし、また、その「復讐」が根本的に横たわっている問題の解決に繋がるとは思えないという致命的な問題がある。カントナマスクの集団にコミカルな魅力があることは認めるが、ストーリーの説得力には欠けている。
めちゃくちゃな設定だけでコメディは成立しない。その世界の中での説得力は絶対に必要である。それを認識できる作品ではある。
(2011.1.9 チネチッタ)
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