アニメーションの楽しみ、というようなものがあるのだと思います。昔で言うなら、突然バン！と開いたドアに挟まれて紙みたいペラペラになったキャラクターがハラリと壁から剥がれる、とか、壁をボーン！とキャラクターが突き抜けると、人型がくり抜かれている、といったような。今のＣＧ技術はそんな単純さにとどまりませんが、この世の物理法則にとらわれない自由さと、かといってかけ離れ過ぎても受容できないので、その独特の間合いから生まれる表現のおかしみ、みたいなもの。他のピクサーアニメでは主要シーンのあまりの奔放さにポカーンとさせられるものもありましたので、本シリーズは、自動車、という設定の必要とするある種の重量感が、うまくカセになっているように思いました。

(17/07/20再見＆レビュー追記)