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[コメント] リメンバー・ミー(2010/米)

最後の展開は衝撃的ではあったが、それだけの作品という感じもしなくはない。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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普通に見れば、父親に反発し不器用な生き方をしてきた青年が1人の女性と出会ったことで人生を見つめなおしていく姿や、家族との蟠りを解いていく青春ラブストーリーなのだが、終盤で同時多発テロが絡んでしまうのは意外だった。

確かに終盤の展開の意図だと、それまでの家族の関係が修復されていくエピソードやタイラーとアリーのアリーの父親とタイラーの関係といった障害を超えて結ばれていく恋愛ドラマに悲壮感が感じられるのだが、それにも拘らずこの作品がいまひとつ感動的にならないのは、主人公タイラーの家庭環境があまりにも恵まれすぎてることに他ならない。

正直、警察沙汰の騒動を起こしても、有能な弁護士の父親のおかげで何もお咎めないし、父親チャールズとの蟠りがなくなる展開も、妹を虐めていた同級生の両親と学校側を弁護士の権力を駆使して訴えるという行動がきっかけというのも、何か金持ちとしての権力を露骨に晒している感じで共感しにくい。

おまけに妹を虐めた同級生を威嚇したタイラーに対しては、チャールズはやったこと関しては特に反省を促すようなことは言わないで、賞賛してしまってるのもなんか依怙贔屓しているようで感心しない。

せっかく演じている役者の演技は素晴らしいだけに、もっとドラマ部分に共感できるだけのキャラ設定というか要素が欲しかったところ。

最後の展開は衝撃的ではあったが、それだけの作品という感じもしなくはない。

役者的にはタイラーの妹役のルビージェアリンズの自分も家族に対して不安を抱えていながらもタイラーに対して常に見せる優しさの伝わる表情演技やチャールズの秘書ジャニーン役のケイト・バートンのチャールズを仕事上だけでなくプライベートでも親身になって心配してるんだなと感じさせる演技ぶりは素晴らしかった。

(評価:★3)

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