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[コメント] トライアングル(2009/英=豪)

まさにタイトル通りな作品で、まずまず楽しめる。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ヨット航海中に遭難した男女が突如現れた巨大客船に乗船し、不可解な現象に襲われるサスペンス映画。

無人の巨大船に乗船した主人公たちが何かに襲われるタイプの作品というと『ザ・グリード』『ヴァイラス』『ゴーストシップ』など多々あるが、作品的には『CUBE2』のような異次元を舞台にしたミステリーサスペンスとなっている。

前半で何者かに襲われた主人公ジェスが、船の中の異常な空間に囚われ、幾度も遭難した自分たちに遭遇していることを知り、最初は何とか異空間で繰り返される同じ人物への殺戮の連鎖を止めようとするも、途中で遭難した全員を殺さないと助からないと悟り、息子の元へ戻るために殺戮を実行する展開で、前半の展開を伏線として回収し、最後には序盤のヨット航海までが全て一連の異次元での出来事で無限ループで繰り返されているということが分かる結末で、まさにタイトル通り『トライアングル』に構成されており、まずまず楽しめる。

ジェスの体験している一連の行動は終盤での事故シーンを見ると、事故死したジェスがそれを受け入れられずに、この無限ループを繰り返しているという解釈もでき、ジェスが無限ループに嵌る前の最初にヨットに訪れた時の記憶が最後まで描かれてないのもそう考えると納得出来る。

ただ、船での異空間の描写は辻褄合わせな展開も見られ、色々と突っ込みどころも多い気がする。

例えば、ジェスが異空間の存在に気づいた後に、食堂でヴィクターに異空間の存在を信じてもらうために、前半で彼が襲いかかろうとしたジェスの目の前にショットガンを構えて現れるシーンがあるが、その後逃げ出したジェスは結局どうなったのか不明な点。

中盤でジェスが無数にあるサリーの死体を発見した後、もしサリーの死体を使って最初に乗り込んだジェスたちヨットのクルーに船が異常である事を知らせたり、まだ生存している仲間たちをサリーの死体のある場所まで連れて来た場合はどうなるのかが描かれなかった点。

後半で仲間を殺すことを決めたジェスは、一連の行動が何度も繰り返されている事は悟っていて、断片的に記憶として覚えているんだから、最初に船に乗り込んだジェスを殺そうとする時に隠れている場所は分かっているんだから、わざわざ前半と同じシチュエーションで襲いかからなくても、いいんじゃないのかという点などがある。

また船での無限ループを繰り返している中で、最後まで無限ループに抗おうとするジェスが1人も登場してこないのも違和感がある。今までの一連の行動の記憶が残っているのなら、1人ぐらいは反発する姿勢のジェスがいてもいいと思うのだが。

(評価:★3)

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