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[コメント] 監督失格(2011/日)

これは仕事なんだ、と冷静に見ていたのに 、最後の矢野顕子さんの曲を聞いた途端、涙がドッと溢れ出てきた。(2012/4/18)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いくつかの思いがある。

好きな女性、つかみどころのない女性に先立たれた情けない男の存在。バカだなと思う。

映像は揺れる。自転車旅行のシーンもひたすら揺れる。園子温監督の作品にも似たドラマの揺れ。この揺れ具合が決定的なシーン(由美香の死)の固定カメラの場面を強烈に印象づける。

これはドラマなんだと思ってずっと映像をぼんやり見てた。

仕事だ、所詮。

興行でしかない低俗なものだ。

そして、死。

それでもドラマとして見ている自分がいる。

これは所詮映画なんだ、と思うと最後に監督がぎっくり腰をこらえながら慟哭するシーンすらも茶番に見える。

くさい芝居だと思う。

なのに、最後に矢野顕子さんの「しあわせのバカタレ」が奏でられた途端、もう涙がとめどなく流れて止まらなくなった。

映画が総合芸術であることを示すものだ。

(評価:★5)

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