オタクの男たちと､道中で出会った逃亡中のエイリアンの旅を描いたコメディ｡

ストーリー的には『ウィッチマウンテン』ような､道中で偶然出会った宇宙人に巻き込まれる形で一緒に旅をする主人公たちのロードムービーという体裁をとっている｡

ただ､この映画の宇宙人であるポールが従来のＳＦ映画にはないフレンドリーで垢抜けた性格ぶりで､迫る危機への対処の仕方もかなりやり慣れているというか､余裕を感じさせる｡

映画としては､『Ｅ．Ｔ．』の製作の裏にポールが関わっているとか､ポールを追っている組織のボスがシガーニー・ウィーバーとか､絡んでくる小ネタがなかなか面白く素直に楽しめる｡

また､ポールを捕まえる追手だと思われていた男が仲間だったという意外性のある展開やポールが宇宙に帰る前に果たさないいけない目的が､ポールと遭遇した少女に謝罪するためという､きちんと序盤の展開を伏線に持ってきたのは上手い｡

従来の宇宙人との交流を描いた作品と比べると､ポールの性格が軽いので､あまり感動要素は無いが､コメディとしては結構面白い作品になっていると思う｡