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[コメント] ラインの監視(1943/米)

序中盤、観客はホームドラマのようにうるさいお祖母さんとうるさい次男坊とうるさい劇伴を我慢しなければならない。これは意図的な演出なのだと終盤に我々は納得させられることになる。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







クライマックスに落差をつくるためにに序中盤をあえて間抜けにしてある手法はたまに見かけるものだ。私がぱっと思い出すのは『さびしんぼう』。

これらはポール・ルーカスの実に以外な鉄拳で突然にギアチェンジされ、うるさかった面々は黙り、欧州を知らないアメリカが相対化されてクライマックスの暗殺に至る。レジスタンスは軍人じゃないから殺人が法で定められていない。だからジレンマがもう一段高い。このジレンマを映画は地味に追及している。「私は暴力が嫌いだ」とは切実。伯爵に「貴方たちは判りやすい」と云うベティ・デイヴィスの科白が印象的。悪は類型化されるのだ。

ときにRhineはライン川のことなんだろうだが、映画では何を指すんだろうか判らなかった。原作から脱落した件があるんだろうか。

(評価:★4)

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