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[コメント] ドラゴン・タトゥーの女(2011/米=スウェーデン=英=独)

ひさびさに原作のよさをマックス映像化してくれた映画で、すごく満足。あのいろいろある複雑な設定をあっという間にセリフの中にとりこみ、短い時間で観ている人に理解させるなんて、すごい脚本!『犬神家の一族』を初めて観た以来の衝撃(笑)
Shrewd Fellow

息まで凍りそうな寒い寒いスウェーデンの、原作には地図までついていたヘーデビー島の様子まで丁寧に作りこんでいて、原作のファンもがっかりしない映画になっていてうれしい。原作をまだ読んでいない方も、この映画をみることでスティーグ・ラーソンのミレニアム三部作に興味を持ってもらえるんじゃないかな、と思うくらい出来のいい映画でうれしかった。

それにしても、私の脳内でミカエルは全然ダニエル・クレイグじゃなかった。ダニエル・クレイグじゃ、ちょっとマッチョすぎるっていうか、カッコよすぎる。ミカエルはそれほどイケメンじゃないのに、どういうわけだか女にモテモテで、すぐに言い寄られる。私の脳内のミカエルとはかけ離れすぎていて、今まで観るのを避けていたけど、それは間違いだった。ダニエル・クレイグのカッコよすぎるところを、あの全然イケてない眼鏡がしっかりサポートして、かわいいミカエルを演出。あの眼鏡を選んだ人、素晴らしいセンス!

そこまで原作に忠実に作ってくれていたのに、どうしてハリエットに関してだけ結末をあんなに変えてしまったんだろう・・・と、思わないではなかったけれど、タイトルにある通り、この物語の主役は「ドラゴンタトゥーの女」・リスベットなのだ。まるでハリセンボンみたいにトゲトゲで無表情なリスベットが、ミカエルと関わることでだんだんに人間臭く(人間らしく?)なっていく様子がうまく表現できていたし、ラストでミカエルにプレゼントを用意するときのリスベットのかわいらしさ!私が原作で一番気に入っているところをちゃ〜んと映画の中に再現してくれてて、それもうれしかった。だから、ハリエット事件の結末が全然原作と違っていても大したことじゃなかった。それよりも、かわいらしいリスベットを見せてくれたことに感謝したい。

(評価:★4)

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