[コメント] マージン・コール(2011/米)
こういう映画を見ていつも思うのは、単純な憤りが半分と、「もし自分があの場所にいたとして、彼らのとった行動以外のことができるだろうか」という自問である。もっともこの世でファッションと経済が最も不得手な私には杞憂もいいところだが。
彼らの自己保身のために世界経済は大打撃を受け、今もその傷は回復していない。「俺達がどう行動しようと事態は同じようになっていた」というのは、責任を回避しようとする卑怯な欺瞞である。
だが同時に組織の中で組織の論理を飛び越えて個人として行動することがいかに困難か、わたしも少しは知っているつもりである。劇中で若手のトレーダーが金融崩壊によって最も深刻な打撃を受ける普通の庶民について遅ればせながら思いをはせ、その青臭さを上司に腹立たしげにたしなめられるシーンがあったが、果たしてあの程度の自責の念でも感じた人間が、あの日本当にウォール街にいたかどうか・・・。その後の当事者たちの無責任な言動を知るにつけ、いささか絶望的にならざるをえない。
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