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[コメント] 街の灯(1931/米)

人として生きていくうえで欠かせない気持ち・思い・信念が、笑いをまじえて綴られていく、この幸福感がたまらなく心地よかったです。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







チャップリンの映画はまだ全くと言っていいほど観ていないし、彼の個性や性質など判りかねているのですが、この作品単体で見ると、本当に温かく、自分の中の良心に栄養を与えられたような、なんとも不思議で優しい気持ちになれるものでした。

たとえば彼女に渡ったお金は、彼自らの手で稼いだお金ではなかったけれども、彼は投獄という形でしっかりとおとしまえをつけている。濡れ手に粟的な展開ではなく、大金を「投獄→爪弾き者」という重荷と引き換える訳です。その律儀な設定がドストライクでした。

またラストについては、私個人の思いではありますが、彼は恋愛感情というよりも博愛に似た感情で彼女を見ていたのではないかと思っています。彼女とどうこうなりたいという気持ちを、彼は持っていたのかな?という疑問を抱いてしまうのです。美しく、けれども目が見えずに貧しい暮らしをしている少女。そんな一人の人をただ、放っておけなかっただけなのではないかと私は思いました。確かに彼女が若い女性であった事がその思いを抱くきっかけとなったのかも知れません。けれどもそこから派生した、自分の貧しさも顧みず、一人の人を救いたい。その思いが美しく、私は泣けてしょうがなかったです。思いが成就したラストは、個人的には完全無欠のハッピーエンド。

「男と女」という括りから1歩はみ出した「人と人」という描き方が、私は非常に好きでした。

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09.11.17記(09.11.11DVD鑑賞)

(評価:★5)

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